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「す、すみません!大丈夫ですか!?」
ぶつかって来た大柄な男性は慌てて私へと言葉を発した。
「あ、はい、大丈夫です」
立とうとした矢先、右腕を誰かに掴まれたかと思うと引き上げられ力を掛けずにすっと立ち上がれた。
「社内では走るな」
「す、すみません!社長!」
私を引き起こしたのは雷牙だった。
立ち上がる私の腕から手を離すと、再び玄関へと向かって歩む。
「あ、有難うございます」
「大した事はしていない」
雷牙は一言だけ残し歩いて行く。その様子を女性がじっと見ており、これがその女性の悪女剥き出しの引き金になるなんて、この時はまだ想像もしていなかった。
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