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いきなり尋ねたのに 驚いた様子がないことから、 田辺くんが予め連絡を 入れたのかもしれない、 と思った。 「坂口さんのこと、よね」 「……」 わたしはじっと フジコ先生の後姿を 見つめていた。 白いブラウスに タイトな黒いスカート。 学校という場所にふさわしい 地味な服装ではあるが、 体にぴったりと沿った そのデザインは、 先生の魅力を強調していた。 この部屋には、 いつも彼女の香水の香りが 漂っている。
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