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苦しさのあまり足をばたつかせ、
めちゃくちゃに暴れても
拘束は弱まるどころか
びくともしない。
徐々に気が遠くなり、力が抜ける。
――死ぬかも、と思った瞬間、
腕が外れて一気に
空気が流れ込んできた。
激しく咳き込み、
荒い息をしながら見上げると、
沙希先輩の氷のような目が
こちらを見下ろしていた。
「悠斗は、あんたみたいな女には
絶対に渡さないから。
――よぉく覚えておいて。
……もーえ、ちゃん?」
沙希先輩はフフ、と笑って立ち上がり、
視界から消えた。
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