忌々しい存在

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私には2台の携帯がある 真っ白なボディに、スワロフスキーできらびやかに装飾が施された、キラキラの携帯 もうひとつは、無機質で、コールのみのシンプルで、ニッケル色のくすんだ携帯。 買い換える気分にはならなくて、長く使い込んだ 本当の私を象徴するこの携帯が、 愛しくて、仕方がなかった 私が、女優であるために必用な、くすんだこの携帯は 毎夜、毎夜 私を奈落の底へと突き落とす
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