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「いや、中々だよ。イクちゃんも、アイツも」
アイツ、っていうのは、
ユンファの事か。
「藤堂さん、口に出さないから…」
知ってたんなら、知ってるって
言ってくれれば良かったのに。
そう思っていると
「あんまり口には出したら良くない事も、あるからねぇ、」
と、焼酎の入ったグラスを口にする
この人は、思ったよりも
まともだ
「…そうですね。」
私はそういうと、席を立った
「ちょっと、化粧室いってきます」
身体がそんなに元気じゃないからか、アルコールのまわりが早いかもしれない
火照る身体を少しふらつかせて、私は部屋を出た
「……はぁ」
ため息なんてつくのは嫌いだけど
今日の出来事を思い出すと、憂鬱でならない
私はこれから、あのツーショットをずっと目にしなきゃいけないのかと思うと
つらい以外の感情が出てこない
個室を出ると、迷路みたいになった、不思議な通路を私はよろよろと歩いていた
「…………っ!?」
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