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ステージ裏では、アンコールの曲が終わり、ファンの声だけが小さく響く 音響で耳がぼやけた感覚のせいか、私の視覚をさらに研ぎ澄ます 私の目線の先には、暗幕の袖裏で、ぼーっと立ちすくんでいる郁美が見えた 指先から、憎しみが込み上げる 頭にカッと血がのぼって 意識が鮮明になった時にはもう 目の前に郁美が転がっていた
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