1761人が本棚に入れています
本棚に追加
"コスギ"
私は男をそう呼んでいた
痩せ細った身体に、無精髭には白髪がまじり、
なんだか湿気をおびた髪を無造作に束ねた男は、耳にまとわりつくようなしつこい声を発する
ヒー、ヒー、と
話すたびに歯の隙間からもれる息が、生臭い
コスギは、どういう経路でか、スンフンと繋がっていた
私は事務所と契約を打ち切ったいまでも
スンフンからお金を受け取っていて
その橋渡しを担っていたのは、この男だった
不思議と、いつの間にか
母国である韓国や、
仕事で渡日していると、突然姿を現す
気味が悪くても、コスギは私の妨害をするどころか、助長すらしてくれる。
私はコスギに、郁美のマンションの住所と、写真を手渡していた
最初のコメントを投稿しよう!