1469人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
それは歌番組の収録の時の出来事。
まだそれほど売れていなかった僕達の楽屋は、他のアーティストとごった混ぜの大部屋だった。
「これ、読む?」
僕達のところにやってきた彼女は、僕らと同じ駆け出しのアイドルグループだった
彼女の手には、日本語で書かれた本が握られていて
「面白いし、日本語もそんなに難しくないから、勉強になるよ」
何度か番組で顔を合わせていて、仲良くなった彼女は、心よく僕にその本を貸してくれた
まぁ、他のメンバーは日本語の勉強があんまり得意じゃなくて、
僕はその時、日本語の勉強が楽しくて仕方ない時だったから
たまたま僕が借りただけなんだけど。
「頑張ろうね!!」
裏表のない、いい娘だった
でも、それっきり。
彼女には出会っていない。
最初のコメントを投稿しよう!