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打ち上げ中も僕の意識はどこかにいったまんま。
時折、【ソンミン】というキーワードとも言える言葉が飛び交っていた
自分のことだろうかと何度か反応したけれど、それは僕の事では無かった
それが余計に居心地を悪くし、この場をさっさと退散したくなる気持ちを後押しした
終わりが近付いていた頃には相当気分がすぐれなくて、僕は苛立ちを隠せないでいた
ただ、その時間の細かな記憶はない。
ユンファに声をかけられ、僕らは迎えの車に乗るため、また地下道を使って局の駐車場に向かっていた
「キャアアア!」
地下道の中間付近、僕らの歩く先から、女の子の悲鳴がした
集団の先頭を歩いていた僕とユンファは顔を見合せ、その声がした方向に走っていった
……!!
「ジスクっ!!」
横たわる女の子に駆け寄り、ユンファが叫んだ
揺さぶるユンファの掛け声に、返答はない
僕も焦ってジスクに寄り添った
「ジスク!」
無造作に垂れ落ちた腕を握りしめ、名前を呼ぶ
何度も
何度も。
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