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僕がそう彼女に言った時 「ああ、そうなんですか」 と、笑った ちょっと小バカにしたみたいに思って、僕は頭に血がのぼった 不思議だった いつも僕を誉めて、上げて、媚びへつらう人間がいっぱいいる世界で生きてきたせいなのだろうか 僕に気をつかわない彼女が、無性に気に食わなかった と、言っても 僕自身、どんな言葉を欲していたのかはわからない 僕は無言になって、また視線をテレビの映像に向ける 「やりたいように、やるのがいいんじゃないかなぁ。」 間をあけて、彼女が笑う 「やりたくないなら、やめちゃっていいと思うし。 嫌なら、とっくにやめてると思う。 興味がない、なんて そう思ってるだけなんじゃないです?」 「は?」 「いえ、まぁ。何となく。 案外、夢中なんじゃないかって、そう思って。 じゃないと……。ぶワハッ!」 突然笑だした奇妙な彼女が理解出来なくて、僕は怪訝な顔で彼女を見ていた 「いや、結構なお人好しに見えるから」 だから どうだっていうんだ、意味がわかんない でも、イライラした気持ちとは裏腹に いつのまにか気がとても抜けていた 彼女に対しての警戒心なんてものも、とっくになくなっていた
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