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私の中には漠然とした疑惑しかなくて、
心のどこかでは、「そんな馬鹿げた話」そのくらいでしかない。
まだこっちに来て3日
出張慣れしている私はまだ、この地で生活をするということには実感がなくて。
気持ちはまだ、出張気分だった
「小松っちゃんのマンションてさ、アレでしょ」
背後から龍郎の声がしたけど、私は目の前の雑貨屋の中を入ろうか入るまいかと考えていたので、軽く「んー」と答えた
「アレだよ。あそこ。俺がジウ社長に口添えして、シュン社長と折半にしてんの」
「へっ!?」
私は突然クルッと振り向いた
ニヤリ、としてやったりの顔で龍郎が呟く
「だって、あのマンションに住んだ方が都合いーでしょ。低層階は安いっていったって、ここいらじゃそう簡単に住める場所じゃないし、」
「……」
「頼むよ~なんなら、俺が」
「断る」
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