1589人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「基本的には、事務所には週1でいいよ。ジウ社長とも約束したし。
その間に、本来頼んでた窓口業務お願いして、
後は、何か掴んだら俺に連絡ちょーだい」
意外と細かい龍郎の話を聞きながら、私達は大量の荷物を抱えてマンションに戻った
時間はけっこうな時間になっていて、案外夜の長い街に感覚がゆっくりと馴染んで行く
「今度さ、俺にも紹介してよ」
ペラペラと口の止まらない龍郎に段々と嫌気がさしてきて、私は「誰を」と聞く気にもならず、ただほとんど無愛想に相槌だけを返していた
ただっぴろい、天井の高いマンションのエントランスを抜け
エレベーターホールでエレベーターを待つ
荷物を抱えた龍郎の口は止まりそうにもない
「俺ここ来るの五回目」
龍郎がそう言った
「は?」
その瞬間。
エレベーターのドアがゆっくりと開いた
「……あら」
最初のコメントを投稿しよう!