2/9
前へ
/35ページ
次へ
「不服やわ」 やけにアップテンポの音楽が、これでもかと鳴り響き、 陽気でウカレたビートが身体に響く ここは市内から外れた倉庫街にあるグラブSOUL 会員制のグラブだ 過剰な睫毛エクステに、カラーコンタクト ボブの金髪ウィッグに、派手なカラーのトップスにブラックレザーのスキニーパンツ 12センチのグラディエーターのヒールをはいて、 私はうんざりとしながら呟いた 「仕方ないだろ」 私の声が聞こえるはずもない騒音の中、龍郎が私にそう叫んだ 仕方ない、ちゃ。仕方ない。確かに。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1718人が本棚に入れています
本棚に追加