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表を散歩したりして体力をつけるのに1ヶ月を要した。
優斗はカイガイしく一緒にくっついて回る。
「ついてこなくてもいいのに」
「だって・・・///あぶないだろ」
「子供じゃないんだから・・・」
「まだ、肩の傷も完全じゃないし・・・」
もにょもにょといいわけをする優斗がかわいい。
すっと手を取ってギュッと握った。
「わっ!!」
「こうしたかったんでしょ?」
「したくなんかっ!」
「そう?」
意地わるく手を放す。するとキッと睨んで手を握り返してきた。
「やだって・・・いってないだろ?」
「そうだな」
また真っ赤になって頬を膨らませて俯いた。本当に一から十まで可愛くて仕方ない。
あの方とは全然違うな。弟を持った気分・・・。
兄・白兎は同じ年だしどちらかと言うと世話の焼ける兄だった。
自然と自分が叱ったり、抑えたりする方が多かった。
でもその白兎とも違う思い・・・なんだろう。優しい気持ちになる。
靫様とはヒリヒリするような駆け引きをしながら、それでも愛しくて、従うような関係だった。
「またあいつの事考えてる」
「何でわかるの?」
「勘かな」
「そんなに嫌?」
「イヤだよ!僕はそいつの身代りじゃない!黒兎は俺だけを見てればいいんだ!」
「すごい愛の告白だね」
「うっ///そんなこと・・・・ない」
「君の事もいっぱい考えてるよ、優斗。ずっとあの方の事ばかり考えていたのに、今はすっかり君の事ばかり考えてる」
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