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服に着替えようとパジャマを脱ぐとじっと傍で優斗が下から見上げている。
何だか気恥かしい。
「なに?」
「カッコイイなって思って」
「君の妖狐の姿は美しいと思うよ」
「獣の時か・・・なんかつまんない」
「そう言わないで、人間の君は可愛くて仕方ないよ」
自分でものろけた事を云っていて恥ずかしくなった。これじゃ白兎みたいにチャラ男のようじゃないか。
「かわいいなんて嫌だ!僕は男だ!」
「じゃあなんで、男の私にしたんだい?女の子の方がいいだろう?」
「・・・なんでかな?初めてお父さんが黒兎を連れて来た時から・・・なんかわかんないけど・・・・んーーーー!」
「いいよ。ありがとう、気に入ってくれて。光栄だ」
「ほんと?」
ぱっと明るい笑顔をした。初めて見た・・・・優斗の満面の笑顔。
こんな顔をするんだ・・・もっとこの笑顔を近くで見ていたい・・・そんなとてつもない欲望がこの時私の中に生まれた。
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