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無遠慮な視線に赤くなりながら 急いで席に着き、 目の前にあった原稿で胸元を隠す。  「早く選んじゃいましょう。 下校まで時間があまり ないですからっ」 ペラペラと原稿を めくり始めたものの、 ――内容がまったく頭に入らない。 ちらり、と様子を窺うと、 先生はいつもと変わらず、 長いまつげで原稿を見下ろしている。 ――涼しい顔、しちゃって……。
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