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――今のは……。 振り向くと、 目に入ったのは保健室の奥にある、 閉じられた目隠しカーテン。 ドキドキしながら 足音を殺して近づき、 そっと中を覗いてみる。 ……眠ってる……。 春山先生が、真っ白な 布団にくるまって横になっていた。 すやすやと心地よさそうに 寝息を立てている。 「先生……」 反応はない。 わたしはゆっくりと ベッドに近づき、 音を立てないように、 そろそろと傍らの椅子に 腰かけた。 起こさないよう、 慎重にベッドに頬杖をついて 先生の寝顔を覗き込む。 ――キレイな顔、してる。
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