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というか、――やばい。 心臓が、別の生き物のように バクバクと脈打っている。 耳から何かが飛出しそうなくらい、 激しい鼓動。 ――わたし、 寝込みを襲ってしまった。 すごく卑怯なことを してしまった。 でも……。 わたしは、自分の唇に触れた。 ……うれしい。 ……春山先生とキス、 しちゃった……。 大暴れする心臓を 抑え込みながら、 熱くなった頬を両手で包み、 冷やそうとしていると――。 カラカラ……。 保健室の引き戸が開く、 乾いた音がした。
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