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……あんな場面を目撃しても、
何も言ってくれないんだ。
……そりゃそうだよね。
先生にとって、わたしは――。
「よし。こっちは終わった」
先生は読んでいた原稿を
トントン、と揃えると、
机の上にパサリと置いた。
「今回は全体的にちょっと弱いな。
――そっちはどう?」
「えっ、あっ、
すみません、まだ――」
「どうしたの。
全然読めてないね。
そっちの半分、貸してごらん。」
「……」
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