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スミマセン、と呟いて、 原稿を半分に分け、差し出す。 ――突然、その手を握られ、 わたしは思わず悲鳴を上げた。 「……びっくりした。 ……ど、どうしたんですか」 「――まだヤラせてないんだ?」 「……」 わたしの手から零れた原稿が、 はらはらと床に舞い落ちる。 目を見開いて固まっていると、 先生がからかうように わたしの顔を覗きこんだ。 自分の顔が一気に 紅潮するのが分かる。
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