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「――分かってて、誘ったんだろ」
「……?」
先生はテーブル越しに
身を乗り出し、さらに
わたしの腕を引いて、
顔をすぐ傍に近づけた。
「今日が木曜日の放課後だって
分かってて……。
そろそろ俺が来る
時間だって分かってて、
見せつけようとしたんじゃないの。
――お前から、キスでもねだった?」
ハッとして先生の目を見る。
全てを見抜く、
――深い、コハク色の瞳。
思い切り手を振り払おうとしたけれど、
さらに強い力がそれを阻止した。
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