可奈

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可奈は恐る恐る女の髪を掴んだ。 ズルッ 女の長い髪と帽子が床に落ちる。 「キャアアアア!」 それは紛れもなく男だった。 真っ赤な唇を光らせ男はニヤニヤ笑った。 「アンタ俺の事好きなんだろ?」 誰? こんな人知らない… 可奈は首を横に振った。 「毎朝話してるじゃん手だって握ってさ~」 何言ってるの? 「でも俺アンタの事好きじゃないんだ。ただコレは別♪」 そう言って可奈の手を掴み、細い指先を舐めた。 「いやっ!!!」 思い切り男を突き飛ばす。 男はケタケタと笑い 「俺……アンタの指と目ん玉しか愛せないんだ…ごめんね」 と一気に詰め寄る。
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