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マンションまで逃げれば可奈と住人以外は中に入れないのだ。
曲がり角が近づいてきた。
可奈の心臓は破裂しそうなくらいドクドクしている。
そして角を曲がると同時に全力疾走した。
ハァハァハァ
ヒールが邪魔で上手く走れない。
前のめりになりながらマンションに滑り込む。
震える手で鍵を差し自動ドアを開けた。
その時
初めて後ろを振り返った。
そこには誰の姿もなく、暗い道があるだけ。
可奈は額から出た汗をハンカチで拭き取る。
ハア…ハア…ハア…
息を整えエレベーターのボタンを押した。
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