プロローグ 不幸と奇跡は紙一重

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―――――― 俺は、昔から不幸体質だった。 道を歩けば財布を落とし、余計なトラブルに巻き込まれてはその度に被害を受けていた。 母さんは幼い頃に俺と遭った事故で死んでしまったらしい。昔のことだからかほとんどその時の記憶もないし、正直母さんの顔はあまり覚えていない。 気付いたら俺は父さんと二人暮らしだった。 そして、はっきり言って、もしかしたら父さんの息子であったことが一番の不幸ではないかと考えることがある。 俺の父さんは八神優介。「そこに山があるから登り、海があるから渡るのだ」という根っからの冒険家。 あまり俺は知らないが、世界で有名な冒険家として意外と知られているらしい。
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