プロローグ 不幸と奇跡は紙一重

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母さんが死んだ後、父さんには様々なサバイバル知識を教え込まれた。 例えば、泣き喚く俺にナイフとライターだけを持たせ山の中に一週間置いていったり、俺が恐怖に怯えているのも無視して熊が出る森に投げ入れたりだ。 はっきり言おう。俺はその時から父さんを嫌いになった。 とはいっても、父さんは世界中を飛び回り一年のうちの一か月くらいしか家に帰ってこないため、中学生になるまでは親戚の家で暮らし、それからは親戚の手を借りつつ自宅で一人暮らしをしていた。 だからほとんど会わなくて済むのだけど。
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