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わたしに気付いて 少し驚いた顔をしたけれど、 すぐに先生に視線を戻す。 「俺も行きます、雪村のところ。 キャプテンなんで」 「ダーメ。 お前、授業あるだろ」 「でも…」 「大丈夫だから。 榊先生も行くんだし、 ちゃんと無事に 連れて帰ってくるよ」 先輩はそれでも 納得できないようで、 唇を噛み締め、 先生を凝視している。 ――先輩……? 少し、意外な気がした。 確かに雪村くんは サッカー部だし、 先輩はキャプテンだけど……。 そこまで思いつめたような 顔をするほど、二人は 親しかっただろうか。
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