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気付かないふりをしながら ありがとうございます、と答え、 ふと他のメンバーに目をやると、 ――こちらに向けられていた 好奇の目が一斉に逸らされた。 「……」 ――みんな、 わかりやすすぎなんだけど……。 とりあえずこの空気から逃れようと さっさと荷物を整理していると、 勢いよく部室のドアが開いた。 「お疲れでーっす。 ……おう、椎名。 恋パラおつかれさんっ」 「ありがとう」 お弁当とコンビニ袋を 手に入って来た田辺くんは、 ドアをおしりで閉め、 鼻歌を歌いながら席に着いた。 「――あれっ?」 ふと何かに気づき、 まじまじとわたしの 首元を見つめる。
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