第1話

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「何笑ってんだよ。」 「ん?」 「口元緩んでんぞ。」 「これは失敬。」 まさか顔に出るとは。 「はぁ~……、まぁいいや。早く食おうぜ。」 「うん。」 隣で本人お手製の弁当をつつき出したのを見て、俺も肉うどんに箸をつけた。 所変わって教室。 次の授業まで余り時間は無いはずだが、未だ昼休みボケ…と言うのか、教室内はガヤガヤと煩い。 その中に足を踏み入れ、悪友共々、自分の席を目指す。 「次、何だっけ?」 …次? 「さぁ…確か、古典じゃなかったか?」 「うわっ、マジで!?」 「…凄く嫌そうな顔だな。」 「だって、アイツの授業、何言ってんのか分かんねぇもん。」 「………それは同感だな。」 実(まこと)に遺憾ながら。 「んじゃ、またな!」 「ん。」 手を振ってきた悪友に軽く手を振り返し、自分の席に座る。 窓側2列目、一番後ろ。 結構お気に入りの席だ。
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