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隣の席に男子がいて助かった…。
なんて考えながら、机をそいつの方にくっ付ける。
取り敢えず、間違えて出してしまった古典の教材を机に仕舞った。
そいつが代わりに現国の教材を机の上に置く。
そのとき、丁度授業開始のチャイムが鳴り、現国担当の教師が入ってきた。
「授業始めるぞー。…って、そこの机くっ付けてる奴等、どっちが忘れたんだ?」
ギクッ!
「すみませ~ん。俺です。」
「あの、私もですすみません…。」
……あれ。
よくよく教室を見渡してみると、俺達以外に席をくっ付けているのが2つ。
なんだ…俺だけじゃないのか……。
内心かなりほっとしながら、表情を崩さずに俺も続く。
「…すみません、俺も忘れました。」
「江藤と中野と宮名だな。まぁ…今回は変更の通知が遅かったから見逃すけど、次は容赦無く減点するからな。」
「きゃー、青木先生チョー優しいー!」
「黙れ江藤。」
ちょっとした悪ふざけで教室がわっと沸(わ)く。
きゃー先生ちょー優しいー。
と、俺も江藤に倣って心の中で囃(はや)しつつ、チラッと隣に視線を遣る。
こいつも笑ったりすんのかな……?
「…………何?」
「へ?…いやっ、何も!」
気付かれた!
気付かれてしまった!
思わず顔が赤くなるのを、手で口元を覆うことで誤魔化した。(上手く誤魔化せているかは別問題だが。)
そうこうしている間に授業が本格的に始まり出したことに気付いて、俺は授業に集中することにした。
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