第1話

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放課後。 「わりっ!俺部活だから。」 目の前で両手を合わせて我が悪友が謝ってくる。 「ほぅ…。HRが終わってから日誌を渡してきて、自分はさっさと立ち去ろうと…?」 「悪かったって!何度も言ってるだろ…!」 「まぁ、三谷 健作がそういう人間だとは分かっていたさ…。」 「健次な、三谷 健次(みたに けんじ)!」 「え…?お前何時の間に改名したんだ?」 「してねぇよ!!!!」 勢い余ったのか、俺の机にバンッと音を発てながら両手を着く。 あらら。 流石にふざけ過ぎたか? 一つ小さく溜め息をついた。 仕方無い。こっちが折れよう。 「……ま、部活頑張ってこいよ。サッカー部員。」 「野球部だから!!!!!!」 …………あれ、そうだっけ…? それから暫くして悪友は俺の視界から去っていった。 机の上には分厚い、表紙が真っ黒な…ちょっとしたハードカバーの本に似た物。 所謂、日誌。 ……取り敢えず、書くか…。 筆箱からシャーペンを取り出し、日誌のページを捲って、俺は意を決した。 (まぁ、そんな大袈裟な物ではないのだが。)
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