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放課後。
「わりっ!俺部活だから。」
目の前で両手を合わせて我が悪友が謝ってくる。
「ほぅ…。HRが終わってから日誌を渡してきて、自分はさっさと立ち去ろうと…?」
「悪かったって!何度も言ってるだろ…!」
「まぁ、三谷 健作がそういう人間だとは分かっていたさ…。」
「健次な、三谷 健次(みたに けんじ)!」
「え…?お前何時の間に改名したんだ?」
「してねぇよ!!!!」
勢い余ったのか、俺の机にバンッと音を発てながら両手を着く。
あらら。
流石にふざけ過ぎたか?
一つ小さく溜め息をついた。
仕方無い。こっちが折れよう。
「……ま、部活頑張ってこいよ。サッカー部員。」
「野球部だから!!!!!!」
…………あれ、そうだっけ…?
それから暫くして悪友は俺の視界から去っていった。
机の上には分厚い、表紙が真っ黒な…ちょっとしたハードカバーの本に似た物。
所謂、日誌。
……取り敢えず、書くか…。
筆箱からシャーペンを取り出し、日誌のページを捲って、俺は意を決した。
(まぁ、そんな大袈裟な物ではないのだが。)
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