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俺は佐倉隼人(さくらはやと)葉末間(はずえま)中学に通う3年生だ。
3年生になってまだ1ヶ月も経っていないが残り少ないテニス部の活動に精を出している。
クラスでの俺は特に目だっているわけではない。決して友人がいないとかではない、目立つのは嫌いだ。そして学校も嫌いだ好きなのは、部活の時間と委員会活動の時間だけ…
そんな俺が今何をしているかというと教室でホームルームを終わるのを待っていた。
「だりぃ…早く終わらねぇかな。」
俺はこの時間がとても長く感じる、担任がくだらない事を、ペラペラと喋ってるだけ
今回は不審者が出だとかだ。
…実にくだらない。
「皆も下校中は気をつけるように。今日のホームルームはこれで終わりです。それではさようなら」
と言って担任は教室から出ていった。
「隼人~早く部活行こうぜ」
友人の鈴原司(すずはらつかさ)がそう言いながら俺の元へと来た。司…こいつは俺とは正反対の性格でクラスでも部活でもムードメーカー的な存在だ。そんな司へ俺は、「おぉ」とだけ言って一緒に教室を出た。
「なぁ隼人、今日お前の家に行っていいか?数学の宿題わかんなくてさぁ」
と司がいきなり言ってきた。司はお世辞でも頭がいいとは言えない。しかも残念なくらいに…
「そんなもん教科書見りゃわかんだろ。」
俺は下駄箱で靴に履き替えながら拒否した。
すると司は、少し考えたあと、何か閃いた顔をしてから
「じゃあ今日隼人の家に遊びに行っていいか?紙とペンと頭を使って一緒に遊ぼう!」
…こいつ
ここまできたらもうダメだ。諦めよう。俺はため息をつきながら
「わかったよ。今日だけだからな、終わったらとっとと帰ってもらうから。」
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