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後輩たちは、俺たちのこの小芝居が好きらしく、これをやってる間はみんな笑っている。
「冗談だ。離せ。」
ふぅ…とため息をつき軽くあしらった。
すると司は、ケロッと元気になり額に手を当てながら
「さっすが隼人ちゃん、わかってるねぇ。」
…なんだこいつ、うぜぇ黙ってりゃカッコイイしモテるのにコイツがモテないのは性格だな。
俺は司を無視してラケットをバックから取り出し、校舎裏に行った。
ここなら大きな壁があって壁当てするには丁度いい。
パコン!
…かれこれ40分は打ち続けた
「ふぅ…ちょっと疲れたな。」
独り言を言いながらアスファルトの地面まで歩いてそこに腰をおろした。
「お疲れ隼人。」
声の方を向くと司がいた。俺の水筒を右手に持って左手にはタオルを持っている。
「ほれ」と言って俺に水筒とタオルを渡してくれた。
「お…おぅ。ったく余計なことを…」
悪態をつきながら汗に濡れた顔を拭き、そのタオルを首にかけて、水筒の中身を口に含んだ。
「と、とりあえず礼は言っといてやるよ。」
すると司は、すごく嬉しそうにしながら。
「隼人ちゃんのツンデレキター!」
その後司は20分間その場から立てなかった。まぁ俺が立てなくしてやったんだが…。
今日は、壁当てしかしてないな。司がこんなんじゃラリー相手もいない。
うちの部活弱いからな…
「顧問がヘタレだから仕方ないよ。」
後ろから急に司が現れた。…どっから湧いて出てきやがった。
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