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「んで、どこがわかんねぇの?」
とりあえず腹も減ってるしシャワーも浴びたいので手短に終わらせたい。すると司は、バックから1枚のプリントを取り出した。あれは今日授業で配られたやつか。確か暇してて10分しないで終わらせたやつだよな…
「ここのやつ!これがわかんないんだよ。」
…それ今日やったろ。はぁ…やる気あるのかねこの子は。
「ここは今日やった公式を使ってだな…ちょい待ってろ。」
俺が別の紙にその公式を書いた。
塾に行っている俺は、昨日の時点でこの公式を知っていた。教えることになるとは思わなかったけど…
すると司は、俺の書いた公式を見ながら自分のプリントに数字を当てはめ始めた。
「隼人。これでいいのか?」
…合ってるな。んじゃ帰ってもらおう
「あぁ。正解だその後の問題もその公式でできる。ほれ帰れ。」
多分帰らないよな。何らかの理由つけてもうちょい居座るよな。
そう思っていたが、司は思いも寄らない行動に出た。プリントをカバンの中に入れて俺に言った
「んじゃ俺、帰るわ。サンキューな」
珍しすぎるな。何かあるのか?俺が聞く前に司が口を開いた。
「うち今日すき焼きなんだ!」
そういうことか…フッと俺は司のことを鼻で笑い「よかったな」とだけ言い帰宅を促した。
とりあえず門までついて行って、あいつが「じゃねー」と言って手を振りながら帰る後ろ姿を俺は見えなくなるまで見続けた
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