6人が本棚に入れています
本棚に追加
「ありがとう!はやと。」
姉は靴を脱いで風呂場まで行った。
俺は母さんが持ってきたタオルで髪やら顔やら拭いてから約束通り姉の荷物を部屋まで運んだ。その後俺はリビングでボーッと姉が風呂から上がるのを待っていた。
「ゴメンね~お風呂空いたよ。はやとも入っちゃいな。」
いつもポニーテールで結んでいる姉が唯一髪を下ろしている時間だ。
「わかった。入ってくる。」
姉に促されそのまま風呂に入った。
「この雨じゃ明日の部活は筋トレだな」
風呂場で俺は1人で呟いていた。
ゴロゴロ…ドーン!
雷まで鳴ってるじゃん。最悪だ。部活うんぬんの前に学校すら行きたくねぇ。
チャポン…
外の音がうるさすぎて湯槽でゆっくりとしてらんねぇ。俺の癒しの時間なのに…1人になれる素晴らしい時間なのによ。
なんだかんだで、いつも通り1時間の長湯をしてしまった。
寝間着に着替えリビングへ行った。
「はやとー!おーそーいー。お腹減ったぁ。」
母さんが俺が上がってくるまで待っていたらしい。
プルルルル プルルルル
俺の携帯に電話が入った。親父からだ…
ピッ
『もしもし隼人か…』
この時間にオヤジからの電話ということは…
「今日も帰れないんですね?」
親父が言う前に俺が聞いた。…なんの仕事してるかは知らないが、ここ2ヶ月は家に帰ってこない。
『あぁ。…それと来月も帰れそうにない。』
「そうですか分かりました。」
ピッ
俺は電話を切って携帯の電源を落とした。母さんは、「じゃあご飯にしましょう。」と言ってテーブルに食事を並べた
最初のコメントを投稿しよう!