第4話

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優摂軍が城から出て陣を構えたというのだ。 「よし、いくぞ」 「はっ」    龍延軍十万機は二万機毎の五段構えになっている。龍延は紅龍軍を引き連れ、最後方の中央で陣取っていた。ここは小高い場所になっており、全体が見渡せる。  それに対して優摂軍は一万五千機を五千毎の三隊に分け、中央、左翼、右翼と構えていた。  中央に優摂が乗る白き人馬機兵(聖馬)、左翼に最醒が乗る蒼き人馬機兵(聖龍)、右翼に牙遼が乗る人馬機兵(聖虎)が配置されている。 「やはり、凛々しき軍だな」  龍延は優摂の軍を見て、五年前の事を思い出した。 それは帝によって開催された機兵による武闘大会。  それに龍延は稜周と共に出場した。  もちろん、最強の武を誇った最醒と牙遼も参加していた。  龍延は三回戦で最醒と当たり、五十合まで討ち合った。  最醒の武器は薙刀の種類で青龍刀と呼ばれるものだ。 最醒の攻撃は洗練されており、無駄が無い。 龍延の攻撃は荒々しく力強い。 最後は荒々しさに最醒の一瞬の鋭さが勝ったという具合で決着が着いた。  今まで機兵戦で負けたのはこの一回だけだ。  稜周の方は五回戦まで進み、牙遼と対戦した。  今でもよく言う事だが、龍延と牙遼の攻撃は質が似ている。  
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