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 それからすぐに裕子はシャワーを浴び、やはり裸のままソファーに座った。 濡れたままの髪や肌なんてお構いなしに、煙草を口に咥える。 火、火、とジッポを探すがない。 至る所を探してみたが見当たらない。 銀色の、雅文から貰ったジッポを諦めた裕子は、百円のライターで火を点けた。 ジッポのケースの音が恋しく思う。 だが裕子は、最初の煙を吸い込み、吐き出した時、気づいた。 「あんにゃろう、持っていきやがったな」  裕子は思いっきり舌を打った。 そして、ははっ、と軽く笑う。 裕子は溢れ出る涙を乱暴に腕で拭い、灰皿を手に持ち、赤いベッドに仰向けに寝そべった。 腹の上に置いた白い灰皿は冷たい。 登って消えていく煙草の白い煙を見つめながら、裕子は呟いた。 「あー……、疲れた」
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