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裕子は恥ずかしさから俯いた。
協力者という仕事ではなく、出張ホストである龍二に仕事の依頼をしたのだ。
もう我慢しなくていいんだ、という心の緩みが裕子にそう言わせた。
寂しくて、癒しが欲しい。
不満だらけの自分に、どうしても龍二が欲しくなってしまった裕子は、どうにかしてよ、と甘えたのだった。
そんな裕子に龍二は何も言わずに手をひき、歩き出した。
裕子の家にだ。
家に着いてから龍二はすぐに裕子を抱き寄せ、口を塞いだ。
強引なキスは深く、厭らしかった。
やっぱり、と頼んだ事を取り消そうとする裕子に何も喋らせないために龍二はそうする。
何も言わないで、と言わんばかりに赤いベッドの上で裕子を淫らに抱いている。
龍二は激しかった。
息をつかせぬほどに、犯すように裕子を慰めていく。
本番行為は駄目だったはずだが、龍二はそれを駄目とはしなかった。
自ら裕子にそうしている。
裕子はもう何も言わずに、何度も龍二を受け入れていた。
「俺の名前、本当は悟(さとる)っていうんだ」
まだ繋がっている時に、裕子は龍二の本名を知った。
激しさの中の優しい部分は悟なのだ、と裕子は感じる。
裕子のような女達が龍二を、悟を求めるのがわかった気がして、裕子は泣いた。
全然止まってくれない涙は悟が拭ってくれる。
子供のように泣き、子供のように抱きつき、抱かれながら、裕子は泣いた。
何度も何度も、二人は絶頂に達し、また、その時まで熱すぎる熱をさらに求め、繰り返したのだった。
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