第5話

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「よう、佐久間くん。CMだけじゃ飽き足らず映画にまで進出かい、やるもんだね」 邦画では第一人者の監督だった。派手な演出はないけれど質の高い作品は私も好きだった。 「以前に何本かお願いした事があるんだよ」 「そうなんですね。私も何本か拝見させていただいてます」 「嬉しいねーどうしても原作者には会っておきたくてね。良いじゃない佐久間くん、いっそ彼女の主演でも良いぐらいだ」 「彼女がOKすれば構いませんけどね」 「勘弁してください…冗談でも困ります」 「そう…なあ、佐久間くん。ちょい役ぐらいなら駄目かな?謎の作者が実は出演してるなんて面白くないか?」 佐久間は可笑しそうに私を見る。 「説得してみますよ。どうする?カオルさん」 「ご冗談を…謎のままで良いです…」
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