第5話

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「そうでしたっけ」 「これだよ。怒りもせずこいつ独りだけ笑顔で言うんだなぁ…まあね、こっちもCMなんて片手間だって舐めてたとこもあったしな。見た目もこんな風だろ?若い癖に更に若く見える」 監督は頭をかきながら苦笑している。 「おかげさまで良い作品になりましたね」 「苦労したけどさ。まあ、結果オーライってやつだな」 「あー申し訳ない。少し席を外します」 佐久間が携帯を眺めそう告げた。 「ごゆっくりどうぞ。お嬢さんと話してるから」 佐久間が部屋を出る、作品の事を聞かれるかと思うと焦ってしまう。けれど監督が口にしたのは別の事だった。 「変わった男だろ?」
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