228人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうでしたっけ」
「これだよ。怒りもせずこいつ独りだけ笑顔で言うんだなぁ…まあね、こっちもCMなんて片手間だって舐めてたとこもあったしな。見た目もこんな風だろ?若い癖に更に若く見える」
監督は頭をかきながら苦笑している。
「おかげさまで良い作品になりましたね」
「苦労したけどさ。まあ、結果オーライってやつだな」
「あー申し訳ない。少し席を外します」
佐久間が携帯を眺めそう告げた。
「ごゆっくりどうぞ。お嬢さんと話してるから」
佐久間が部屋を出る、作品の事を聞かれるかと思うと焦ってしまう。けれど監督が口にしたのは別の事だった。
「変わった男だろ?」
最初のコメントを投稿しよう!