第5話

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「変わってると言うか…よくもまあ色々やるなって」 「そうだなぁ…普通な、映画なんて博打みたいなもんでさ、個人が仕掛けるなんて余程でないとやらないんだよな」 「確かに…」 「だろ?」 可笑しそうに笑う。ああ、この人は佐久間が好きなのだと感じる笑い方だった。 「こんな仕事してるとな、色んな奴に会うんだけどね。こんな大仕掛けする奴は決まってギラギラしてるんだな…あいつにはさ、それが無いんだよ」 「言われてみれば…そんな感じですね」 「だろ?スポンサーにしろ、配給にしろ簡単な事じゃないのになぁ。お嬢さんの小説があるにしろさ、あっさりとやってのける。不思議な男だよ」 「かもしれないですね」 「見てる先が違うのかもな…とにかく目が離せんと言うか…巻き込まれちゃうんだ。お嬢さんもその口だろ?」 「ですね…」
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