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「待っていたよ、佐久間くん。彼女がカオルさんだね」
「はい、会長。カオルさんです」
佐久間が私を見て微笑む。
「初めまして、カオルです」
「うん、色々聞いてはいけないんだったな」
会長は苦笑しながらそう話した。
「申し訳ありません。それが彼女を口説いた時の条件ですので」
「構わないよ、人には色々事情があるものだ。それにしても勿体無いな、佐久間くんにかかれば表舞台に立てるのに。ああ、いや余計なお世話だったね」
「いえ、その通りかも知れませんけれど…作品が世の中に出てくれれば充分です」
「そうか、君がそう思うならそれで良いのだろう。ああ、そうだその人も紹介して貰わないと。済まんね後回しになってしまって」
「佐久間のスタッフで大友と言います。今回は佐久間が無理を申しまして…」
「そうか。君があの大友くんか…いや、君にも是非会いたいと思っていたんだよ。それにしても随分な転身だね」
「ご存知なのですか?私の事を…」
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