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「…で、なんで悠哉までいるんだ?」
俺は武志に軽く手をあげた。
「ああ、お前に用があってな。…まぁ、座れ」
そう言うと、武志は俺が座ってるソファーの右側にまわり腰掛けた。
「もしかして、この前の件か?あれはまだ出来上がってないぞ。お前の家のは少し特殊だから、時間がかかる」
「ああ、わかってる。まだ日にちもあるし、構わない」
「んじゃ、なんだ?」
そう聞いて首を傾げていた。
そんな俺たちのやり取りを、不思議そうに片桐と愛美が見つめている。
「武志、…デザイナーとかに知り合いはいるか?」
「「デザイナー?」」
俺の質問に、武志と愛美が声を揃えて聞き返してきた。
「…いや、いることはいるが…。なんでだ?」
「なるにとって、絶対に外せないものがひとつある」
「え?なぁに?」
愛美は気になったのか、そう尋ねて俺を見ていた。
「ファッション関係でいいのか?デザイナーっていったって、幅広いぞ」
武志がそう口にすると、愛美は何やら閃いたのか、勢いよく立ち上がった。
「わかったぁ!なるちゃんに素敵なドレスでもプレゼントするつもりなんでしょ!?…俺の作ったこの服を身にまとえ的な!」
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