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俺は、なにも言わずに愛美を見つめた。
片桐は、表情を変えずに聞き流している。
武志は、どう相槌を打てばいいか困っているようだった。
すると、愛美が頬を少し赤らめ始める。
「ちょっと、…誰か何か言ってよ」
そう言ってゆっくりその場に座った。
ふぅとため息をついた後、俺は声をかけてやった。
「…愛美、…お前、少し黙ってろ」
愛美はまたも俺を睨み付けていた。
「…で、デザイナーの知り合いに何を頼みたいんだ?」
武志が話を戻し、俺を見た。
「ああ、…ファッションと言うべきなのかよくわからないんだが…」
3人が、俺の次の言葉を待っていた。
「………パンダだ」
「「パンダ!?」」
またも武志と愛美が声を揃えた。
片桐は、それを聞いて何やら理解したのか、クスクス笑っていた。
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