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それって、
「じゃんけん?」
「そう!最後に勝利したときはめちゃくちゃ喜んじゃったよ!もう、かなり嬉しくてさ」
そう言いながら、満面の笑みを見せている。
…よほど嬉しかったんだね。
「幸恵、うらやましがらなかった?大丈夫?」
「…それが、…そうなんだよね。今日出てくるときも、かなり手こずっちゃったよ。私がかわりに行くって言ってきかないんだもんなぁ…」
ああ、なんか光景が目に浮かぶ。
きっと幸恵のことだから、大谷くんに相当粘ったに違いない。
「でもね、ちゃんと幸ちゃんにお土産あるんだよ」
そう言って、大谷くんはポケットからデジカメを取り出した。
「なるちゃん、これ見て!」
「ん?何?」
デジカメを覗いて、私は軽く目眩を覚えた。
そこには、専務と大谷くんのツーショットが…。
「今日の専務、超ヤバいよね!写真お願いしたら、すごく優しくてさ!これ、いい感じでしょ!?」
私はとりあえず、ニコッと笑った。
「うん、いい感じ」
…っていうか、これ、絶対幸恵怒ると思うけどなぁ…。
熱く語りはじめる大谷くんに、私はどう合わせればいいのかわからずにいた。
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