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「え?何ですか?」
そう尋ねながら声に耳を傾けた。
「…ダメだろ、今は。…無理だ。…ああ、…何時だ?」
ダメ?無理?…何が言いたいんだろう?
よくわからず様子を見ていたんだけど、何時だという言葉は理解できたので、教えてあげた。
「今9時半過ぎましたよ」
すると悠哉は布団をどかして、ゆっくり上半身を起こした。
何度か瞬きをした後、私を見て口を開く。
「…おはよう」
そして軽く目を擦っていた。
そんな起きたばかりの悠哉を見て、私は笑わずにはいられなかった。
「悠哉の髪の毛、ボンバーですよ」
「…ボンバー…?」
私がクスクス笑っていると、悠哉は自分の頭を触りはじめた。
「…ああ、…寝グセ」
そう言って髪の毛をクシャッとさせた。
今まで一緒に朝を迎えた中で、こんなに寝グセがすごいのは初めて。
「昨日、遅かったんですか?」
「…ん?…細かった?」
あら?寝ぼけてる?
私はそんな悠哉をマジマジと見つめた。
…もしかして。
…今なら、勝てるんじゃない!?
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