プロローグ

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10月も後半になると少し肌寒さを感じる。 セーター着てくればよかったな、なんて、 頼まれた作業をこなしながらぼんやりと思った。 「もう、学校外で2人で会うのやめよう。」 そう言った先生の視線の先は、窓の外。 まだ秋の香りが残る枯れだした木々。 こっちを見る気配もなくて、本当にわたしに言われたのか、本気で考えた。 「そ、そーだよね、せんせ、これから忙しいだろうし…」 そうやって先生から視線をはずしたわたしを、ゆっくりと振り返ったわたしの大好きな人。 「そうじゃない。 そうじゃないんだ。」
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