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「…―寒い」 帰りの夜道…と言ってもまだ18時半を過ぎたぐらい 11月上旬と言えど日が暮れるのが早い 外灯しかない住宅街を歩く青年…常葉 暁<トキワ サトル> 住宅街とあって車の通りもなく静かだ …人通りも少ない その為か暁は堂々と道の真ん中を歩いていた 「ふぅ…」 と吐くため息も白い 身に着けているのが学校の帰りなのかブレザーの制服と紫のマフラーのみ 寒くて当たり前だ 「ねぇ…」 不意に後ろから声をかけられる 女性の声、なのに可愛らしい声 足音や気配等を感じず恐怖感を抱きつつ暁はゆっくりと首を後ろに向けた 「やっぱり!!暁くん!暁くんだよね!!」 「あ…確か…竿さん?」 「沙織だよ!!」 「嘘です沙織さん」 「うんうん!」 葉山 沙織<ハヤマ サオリ>暁の3つ上の従姉弟である のだが… 半年以上前から行方不明者だった それに11月なのにノースリーブのワンピースにパンプスと涼しげを通り越し寒そうな服装だった
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