clean 2 独り泣き

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しかし、よく泣く。 仕方なく泣き止んで欲しさに抱っこ。 お、重い…。 「うにゃぁーーっ!うにゃぁーーっ!」 「泣き過ぎだよぉ?泣きやめぇ~、泣くなぁ~…」 普通に対等に話し掛ける。 気持ち悪い喋り方はしたくない。 彼も一応同じ人間だから。 男湯から出てきた背の高い男が、スッと私の前に立った。 「何、泣いてんだよ」 まさか、コイツの父親がコイツか? ってか、良く見ると笑えるくらいソックリな顔。 「すいません、ご迷惑お掛けしたみたいで」 長い両腕を私の前に差し出して、つり目の色白の細長い顔した父親が、子どもを引き取る。 「おいで」 おいで…。 おいでって、私にむしろ言ってくれたら嬉しいのに☆ 私はすぐに赤面させた。 やだな、カッコイイ☆ 大きな胸の中に、子どもは埋められて、すぐに泣きやんだ。 私もそこに埋まったら、たちまち直ぐに泣き止んじゃいますけど、どうですか? 「あ、あの…転んじゃって。我慢したけど、やっぱり痛くて恥ずかしくて、どうにも泣いちゃいました…という感じで」 私が泣かしたと思われたくなくて、まるで自分がコケたかのように説明すると、 …チュッ… 子どものおでこに軽くキスをして、 「アホだなぁ、おまえ…よしよし、いい子だ…」 と優しい声で呟いたのだ。 やだやだ☆ 何、今の?! メチャメチャ、カッコイイ一瞬だったんだけど! ってか、ってかさ! 私にもキスして欲しいよ☆ なんて、思っちゃったんですけど☆ 「よし、じゃあ帰ろうか。ママが待ってるからな」 ママーッ!! ママかよ。 ケッ!ママなんかどうでもいいよ。 うっとうしい生き物め! 今ので、キラキラの世界から一転して冷めたわ。 私に会釈して、片手で軽い荷物を運ぶように、子どもを抱いて銭湯から出て行った。 ヤッバイな…。 久々に至近距離でドキドキした。
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