196人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日の土曜日。
朝から引っ越し屋のトラックが横付けして止まっていた。
誰か引っ越すのかなぁ。
隣りの変な奴らが、引っ越すなら安泰だよね~。
でも期待外れだった。
私の部屋の真下は空家になっていて、どうもさっきからガタガタ音がするから、逆に誰かが引っ越して来るのかなぁ。
まぁ、いいや。
私は買い物へと向かう準備をしていた。
そして、また元彼から着信…。
コイツの行為ってほぼストーカーじゃん!
いい加減にしてよね!
おまえなんぞ、無視じゃ!
せっかくの朝の気持ちいい気分が台無し。
一変して、ムカツキモードに変わってしまった。
別れた後なのに、束縛なんてしないでよ!
あんたが結婚だなんて、この私に言うから別れる事になったんだから、あんたの自業自得じゃない!
私はアパートの階段を降りて、敷地内から足を出した、その時だった。
「としこ!」
路駐停車していたトラックの前には、見覚えのある車。
馴れ馴れしく呼び捨てで、私の名を呼んで中から出て来たのは元彼だった。
「ゲッ!」
うそでしょ~!
何で居るのよ!気持ちワルッ!
間違いなく、ストーカー!!
「あぁ、久しぶり」
普通を装っても、正直者の私。
顔に露骨に出してしまう。
「電話も出てくれないなんて、寂しいじゃないか。大丈夫か?元気でいたか?心配してたんだよ?」
逃がさないように、腕を掴まれた。
最初のコメントを投稿しよう!