clean 3 王子様は嘘つき

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どうしよう…。 こんな我の強い事されたら、私持ってかれちゃう。 私の心、グイグイ持ってかれちゃうよ。 「で、あんたの家はどこなの?とりあえず送ってあげるよ。引っ越し屋にちょっと一言言っておかねぇとな…」 引っ越し屋? 「わ、私の家はここですけど」 「はぁ?」 「だから、ここの201号室」 私は指を差した。 「はぁぁ?森ノ水アパートの、あんた住人?!」 男は、慌てて私から離れて遠目で私を見た。 「しかも201って、俺の真上かよ」 真上って、まさかこの男が私の真下に引っ越してきたって訳? でも何で、そんな嫌な態度に突然変わるの? 「…チッ」 露骨に舌打ちしやがったし。 ってか、コイツのこのムスッとしたツラ。 コイツ、本性は性格悪いんか? 「こんな木造集合住宅なんて、年金暮らしの年寄りか訳有り人間しか、住んでないと思ってたのに…」 うわぁぁ…。 清々しい朝なのに、よくもまぁ毒舌かますよね、コイツ。 「しかも緑色に塗り替えて、ミドリムシみたいでキモチ悪ッ!」 ちょっと待ったぁぁーーっ!! 私の気に入ってる部分を否定されたら、こっちも黙ってないよぉぉ! 「引っ越してきた初日に愚痴るか普通…。そんなに不満なら別の場所に変えたら?この森ノ水アパートはこの緑色の外見で住む人も、ここを通る人も絶対癒されてんだからね!」 私の癒しを悪口で語るな! 「アホだなぁ、おまえ…」 キュン… やだまた、それ言うから。 意味分からんタイミングで、心臓が縮まった。 いかん、今のはただ単にアホだと愚弄されただけ。
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